2013/08/25

頸部椎間板ヘルニア腹側減圧術

ミニチュア・ダックスフンド、雄、6才

「いつもはわんわん吠えて活発だったのに、突然
どこかを痛がり、首を下げて固まってしまった」とのこと。触診すると、どうも首が痛い。犬種、年齢、症状からも首の椎間板ヘルニアの症状。お薬で様子を見たが改善せず、検査センターにてMRIを撮ったところ、やはり椎間板ヘルニアが見つかった。お薬で治らないこと、断続的な痛みが続いてかわいそうだったことから、飼主さんと相談して手術となりました。出血や呼吸麻痺など命に関わる合併症もなく終えることができました。少し後ろ足に麻痺が残っていますが、痛みから開放されました。


MD, male, 6yrs
主訴:頚部痛 neck pain
診断:頚部椎間板ヘルニアIVDH(C5-6), Hansen type I
手術:腹側減圧術Ventral decompression (ventral slot)

発症から数日の内科療法に反応せず、CamicにてMRI。手術は定法通りの腹側減圧術。ただしアプローチは変法である傍正中切開(Shores, 2007)を適応。この方がアプローチが容易かつ安全で、頸部脊椎外科のほぼ全例で適応できる。術中トラブルなく覚醒。術後、一過性に後駆不全麻痺を呈したが良化傾向で無事抜糸。

2 件のコメント:

  1. 8才の猫。環軸亜脱臼の手術を大学病院で受け、亡くしました。藤田先生にお会いしたかったと思ってしまいます。

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  2. 祥子さん、
    コメントありがとうございます。
    環軸亜脱臼は小型の若い犬ちゃんには比較的多い難病です。手術が難しく、1割程度は命の危険があるだろうとご説明せざるを得ません。しかも猫ちゃんのケースは大変珍しく、僕自身は執刀経験がありません。難病と向き合った子のご冥福をお祈りします。

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