2013/09/21

肺葉切除

【GIAによる肺葉切除】
左肺前葉前部に生じた腫瘍

腫瘍のサイズから肋間アプローチでの摘出は困難であり、胸骨正中切開により開胸。以前に僧帽弁の弁置換術を行なっていたそうで、左肺は胸壁に癒着していた。
肺葉切除では、血管の処理だけでなく、気管、肺実質からの空気漏れを防ぐことが重要である。このときEndo GIA Universal という自動縫合器が威力を発揮する。GIAとは、腸管吻合GastroIntestinal Anastomosisのことであり、Endo GIA は腸管を縫合し切断するという二役を同時にやってのける優れものである。さらに縫合能力は手縫合よりも安全確実と言われ、空気の漏れが許されない肺葉切除には理想的な機械である。
一回で◯万円かかる以外は・・・
癒着を丁寧に処理し、正常肺組織を確認して切断。

2013/09/20

肝葉切除

チワワ、避妊メス、9才
【開腹時】

肝葉切除:肝臓内側左葉腫瘍

犬の肝臓は、外側左葉、内側左葉、方形葉、内側右葉、外側右葉、尾状葉と葉と呼ばれるパーツから構成される。腫瘍がどこにできるかで手術の難易度が変わっていくことは周知のとおりである。CTが身近になった今、手術計画はその個体ごとに解剖を評価する時代に入ったと思う。門脈、肝静脈の走行と腫瘤の位置関係から切除計画をたてる。最終的には開腹してからイメージを再構築しなければならないが、CTによって経験不足をカバーできるようになってきた。
肝門部から離れ内側左葉にあるとCTで判明しているこの腫瘍は最悪でも左全摘出を想定していれば手術可能であると判断できた。ただし万が一に備えるため、輸血の準備、動けるスタッフは必要だ。
【ヘモクリップ】
結局、門脈分岐の所見から内側だけ切除することはできず左葉全摘となったが、肝静脈も浅い部位で視認でき、ヘモクリップにて結紮でき、腫瘍は安全に切除された。

【切除後】



2013/09/10

脾臓腫瘤のCT所見とOpe所見

 脾臓腫瘤
CTで周囲組織にモヤがかかっていたので、炎症の波及、癒着を疑った。脾臓周囲の癒着は大網のみであることが多く、手術難度には影響しない。Ope中、やはり腫瘤全体を大網が覆っていることを確認した。
また、脾臓頭部にあった小腫瘤には、モヤがかかっていない。Opeでもやはり癒着は認めなかった。
CTとOpe所見が一致した典型例だった。




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