2013/09/20

肝葉切除

チワワ、避妊メス、9才
【開腹時】

肝葉切除:肝臓内側左葉腫瘍

犬の肝臓は、外側左葉、内側左葉、方形葉、内側右葉、外側右葉、尾状葉と葉と呼ばれるパーツから構成される。腫瘍がどこにできるかで手術の難易度が変わっていくことは周知のとおりである。CTが身近になった今、手術計画はその個体ごとに解剖を評価する時代に入ったと思う。門脈、肝静脈の走行と腫瘤の位置関係から切除計画をたてる。最終的には開腹してからイメージを再構築しなければならないが、CTによって経験不足をカバーできるようになってきた。
肝門部から離れ内側左葉にあるとCTで判明しているこの腫瘍は最悪でも左全摘出を想定していれば手術可能であると判断できた。ただし万が一に備えるため、輸血の準備、動けるスタッフは必要だ。
【ヘモクリップ】
結局、門脈分岐の所見から内側だけ切除することはできず左葉全摘となったが、肝静脈も浅い部位で視認でき、ヘモクリップにて結紮でき、腫瘍は安全に切除された。

【切除後】



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