2014/07/22

後大静脈腫瘍栓を伴う副腎腫瘍


副腎皮質腺腫

腺腫とはガンではなく良性のシコリという意味であるが、できた場所によっては放置できない事がある。副腎の腺腫もその一つ。手術のタイミングにはいつも苦慮する厄介な相手。いずれ大静脈に侵入し、徐々に心臓に向かって血管内を伸びていく。いいのか悪いのか癒着してどうしようもない訳ではないので、合併症のリスクはあるが手術を検討すべき。

後大静脈の壁を通して向こう側に腫瘍栓が動くのが見える。ターニケットを使って大動脈、大静脈を一時的に遮断し、横隔腹静脈を切開。緊張が走る。幸い腫瘍栓はキレイに押し出された。一息入れる間もなく遮断解除のためサテンスキー鉗子で後大静脈を部分鉗圧し、ターニケットを解除。

ようやく一息。

あとは丁寧に血管を縫合し、止血を確認し閉腹。

2014/07/18

フィンガーフラクチャー



肝臓は、膵臓とならび腹腔、消化器外科で最も警戒する臓器の一つであった。それは今も変わらないが、これまで肝葉切除という形で切除されてきた一部の肝臓腫瘍は、部分切除という形で、安全に切除することができる。この手技自体は「フィンガーフラクチャー法」という古典的な方法であるが、術前CTの解析や術中エコーによりより広い範囲に適応できるようになったのだ。これは人医療域の肝区域切除に近い方法だろうと思う。我々東大VMC軟部外科の得意とする手術のひとつである。

2014/07/04

猫のフィラリア症

フィラリア症とは、血液内とくに心臓や肺の血管の中に寄生する寄生虫の感染症です。犬では広く認知されている病気ですが、猫では症状が出にくいとされてきたために、関心が低い病気です。

しかし最近の国内調査で、予防していない場合には1割程度の子が感染し発症する危険性が指摘されました。これはアメリカでの調査と同様でした。これを受けて、当院でもフィラリア症を疑われる場合には、レントゲン検査、超音波検査、血液検査を行います。しかし診断も治療も困難であるため、可能であればわんちゃん同様に予防していくことが重要です。5月から11月にかけて、月1回の予防薬投与をお勧めします。錠剤を飲ませられない猫ちゃんにはレボリューションという皮膚滴下型の予防薬もあります。同様に月1回です。

また、呼吸困難や心臓発作だけでなく、気持ち悪いのかときどき吐くという猫ちゃんもいるようです。気になる症状がある場合にはご相談ください。




2014/07/02

ひまわり



看板の下に種を蒔いたひまわりがもうこんなに大きくなっています。
ついに1本開きました。