2014/07/22

後大静脈腫瘍栓を伴う副腎腫瘍


副腎皮質腺腫

腺腫とはガンではなく良性のシコリという意味であるが、できた場所によっては放置できない事がある。副腎の腺腫もその一つ。手術のタイミングにはいつも苦慮する厄介な相手。いずれ大静脈に侵入し、徐々に心臓に向かって血管内を伸びていく。いいのか悪いのか癒着してどうしようもない訳ではないので、合併症のリスクはあるが手術を検討すべき。

後大静脈の壁を通して向こう側に腫瘍栓が動くのが見える。ターニケットを使って大動脈、大静脈を一時的に遮断し、横隔腹静脈を切開。緊張が走る。幸い腫瘍栓はキレイに押し出された。一息入れる間もなく遮断解除のためサテンスキー鉗子で後大静脈を部分鉗圧し、ターニケットを解除。

ようやく一息。

あとは丁寧に血管を縫合し、止血を確認し閉腹。

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