2014/03/17

レントゲン管理


毎年、院内に放射線の漏れがないか、しっかり測定。

初めての立会い。サーベイメーター持つのも初。






大丈夫。鉛ってすごい。


有茎皮弁 術後3ヶ月目

コーギー、12歳、オス
右肘部腫瘤切除後に、胸背動脈皮弁により創閉鎖


 肘部に数年来あるしこりが急に大きくなってきたとのこと。
状況からもっとも疑わしいのは、血管周皮腫(今は軟部組織肉腫とまとめられている)。通常この腫瘍の挙動はおとなしいが、今回はどうも怪しい。たとえおとなくしても自壊することは必至。



 患肢温存を選択しマージナルでの切除を行った。三頭筋外側頭遠位、上腕筋膜を深部マージンとして切除しつつも、基本的には腫瘤被膜ぎりぎりでの切除。


エコー上でも血流豊富であったが、この場所でこれだけ止血に難渋するとは。本来大血管は殆どないが、ヘモクリップを多用する必要があった。


切除後の皮膚欠損は広範であり、上腕部では肢の半周に至るものだった。

幸い皮下脂肪豊富で健康的な胸背部がある。
この場所は、有茎皮弁の中で最も安定感のある大型の皮弁を作成できる(理論だてた外科解剖が重要)。



自信持って大きくメスを入れる。小さくなって創に緊張を残しては元も子もない。



あとは丁寧に緊張作らないように縫合。


病理検査結果:血管周皮腫、マージン(+)


この場所で、血管周皮腫で、マージン(+)の場合、Elmslieらの報告(2008年)にしたがって、メトロノーム化学療法を行っている。

大学での実験結果も合わせると、シクロホスファミドを使いにくい場合にはピロキシカムだけでも有効なんではないかと思っている。

今回はコンプライアンスの問題があったため低用量ピロキシカムのみ継続してる。

そして3ヶ月目。しっかり発毛し、関節の機能障害はほとんどない。
このまま、元気に走り回ってほしい。




急性不全片麻痺の猫ちゃん



急性不全片麻痺の猫ちゃん(雑種、避妊メス、11歳)

 意識:正常
 けいれん:なし
 骨折脱臼、外傷なし
 顔面脳神経:異常なし
 姿勢歩様:左前後肢虚弱
 CP:左全後肢(-)
 反射:左前肢LMNs, 左後肢UMNs
 頚部痛、背部痛なし
 →C5-T2、脊髄病変疑い

 心拍数180、雑音なし
 虚弱肢の冷感なし
 →動脈血栓症否定

急性発症、片側性、非進行性、脊髄病変としては、交通事故、椎間板ヘルニアなどの外傷と、血栓症などによる脊髄梗塞が挙げられる。
 この子は状況も含め、梗塞と判断した。

 次の日(動画撮影日)は、後肢の姿勢反応に改善が見られた。



2013/09/21

肺葉切除

【GIAによる肺葉切除】
左肺前葉前部に生じた腫瘍

腫瘍のサイズから肋間アプローチでの摘出は困難であり、胸骨正中切開により開胸。以前に僧帽弁の弁置換術を行なっていたそうで、左肺は胸壁に癒着していた。
肺葉切除では、血管の処理だけでなく、気管、肺実質からの空気漏れを防ぐことが重要である。このときEndo GIA Universal という自動縫合器が威力を発揮する。GIAとは、腸管吻合GastroIntestinal Anastomosisのことであり、Endo GIA は腸管を縫合し切断するという二役を同時にやってのける優れものである。さらに縫合能力は手縫合よりも安全確実と言われ、空気の漏れが許されない肺葉切除には理想的な機械である。
一回で◯万円かかる以外は・・・
癒着を丁寧に処理し、正常肺組織を確認して切断。

2013/09/20

肝葉切除

チワワ、避妊メス、9才
【開腹時】

肝葉切除:肝臓内側左葉腫瘍

犬の肝臓は、外側左葉、内側左葉、方形葉、内側右葉、外側右葉、尾状葉と葉と呼ばれるパーツから構成される。腫瘍がどこにできるかで手術の難易度が変わっていくことは周知のとおりである。CTが身近になった今、手術計画はその個体ごとに解剖を評価する時代に入ったと思う。門脈、肝静脈の走行と腫瘤の位置関係から切除計画をたてる。最終的には開腹してからイメージを再構築しなければならないが、CTによって経験不足をカバーできるようになってきた。
肝門部から離れ内側左葉にあるとCTで判明しているこの腫瘍は最悪でも左全摘出を想定していれば手術可能であると判断できた。ただし万が一に備えるため、輸血の準備、動けるスタッフは必要だ。
【ヘモクリップ】
結局、門脈分岐の所見から内側だけ切除することはできず左葉全摘となったが、肝静脈も浅い部位で視認でき、ヘモクリップにて結紮でき、腫瘍は安全に切除された。

【切除後】



2013/09/10

脾臓腫瘤のCT所見とOpe所見

 脾臓腫瘤
CTで周囲組織にモヤがかかっていたので、炎症の波及、癒着を疑った。脾臓周囲の癒着は大網のみであることが多く、手術難度には影響しない。Ope中、やはり腫瘤全体を大網が覆っていることを確認した。
また、脾臓頭部にあった小腫瘤には、モヤがかかっていない。Opeでもやはり癒着は認めなかった。
CTとOpe所見が一致した典型例だった。




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2013/08/25

頸部椎間板ヘルニア腹側減圧術

ミニチュア・ダックスフンド、雄、6才

「いつもはわんわん吠えて活発だったのに、突然
どこかを痛がり、首を下げて固まってしまった」とのこと。触診すると、どうも首が痛い。犬種、年齢、症状からも首の椎間板ヘルニアの症状。お薬で様子を見たが改善せず、検査センターにてMRIを撮ったところ、やはり椎間板ヘルニアが見つかった。お薬で治らないこと、断続的な痛みが続いてかわいそうだったことから、飼主さんと相談して手術となりました。出血や呼吸麻痺など命に関わる合併症もなく終えることができました。少し後ろ足に麻痺が残っていますが、痛みから開放されました。


MD, male, 6yrs
主訴:頚部痛 neck pain
診断:頚部椎間板ヘルニアIVDH(C5-6), Hansen type I
手術:腹側減圧術Ventral decompression (ventral slot)

発症から数日の内科療法に反応せず、CamicにてMRI。手術は定法通りの腹側減圧術。ただしアプローチは変法である傍正中切開(Shores, 2007)を適応。この方がアプローチが容易かつ安全で、頸部脊椎外科のほぼ全例で適応できる。術中トラブルなく覚醒。術後、一過性に後駆不全麻痺を呈したが良化傾向で無事抜糸。